マイハウス・イズ・フリーワイファイ

朝起きて、雑誌のデザインの仕事をひとつ仕上げた。
連載も21回目となり、デザインと言いつつある種のルーティン・ワークの様相で、よくないなあと思う。毎回キーカラーを変えているけれども、今回はピンク。春だから、ピンク。さくらのピンク。我ながら安直だ。けれどもそういう、お決まりというか、日本人ならば全員分かる共通言語としてのテンプレート、みたいなものに、わたしは素直にテンションが上がる性質なので、喜び勇んでピンクにした。

昼からは「文字とロック」の中ページ企画の撮影で六本木へ。「文字とロック」というのはロ字ックが発行している不定期のフリーペーパーで、勿論オマージュです。新劇団員として色々質問されたりしたけれど、うまく答えられなかった。「文字とロック」の読者を意識して話すわけだけれど、そのひとたちは目の前にはいないし、顔の見えない不特定多数にむかって(役を与えられもせず、素で)何かをアピールするのは苦手だなと思った。文字になったときにどうなっているのか不安。

六本木で映画でもみて帰ろうかと思ったけれど、ちょうどよい時間のものがなく、森美術館のN・S・ハルシャ展でもみるかと足を向けるも、チラシの「見どころ」をひととおり読んだだけで草臥れてしまい、やめた。芸術は受け止めるのに体力をつかう。

もう帰ろう、と思ってから、どういうわけだかたくさんの買い物をした。画材屋さんやフライングタイガー・コペンハーゲンで、絵を描いたり服を作ったりする道具を買った。アンティークっぽい風合いのゴールドのフォトフレームを買って、ずっとやりたかった「Wi-Fiパスワードを玄関に飾る」を遂行した。なかなか気に入った。うちを訪れる方々はどうぞWi-Fiをご自由にお使いください。