100冊読書・001 藤野可織「爪と目」

買ったまま読んでいなかった本にまず手をつけた。

数年前の芥川賞作品。

「爪と目」(表題作)

「しょうこさんが忘れていること」

「ちびっこ広場」

がおさめられていた。

藤野可織の作品を初めて読んだけれども、どれも読後感が独特。名前をつけがたい曖昧な感情や偏執を、やさしい言葉で質量をそえて記してあると感じた。独特なのは、筆者の「愛」との距離感だろうか。淡々とした緻密な観察、のようであるけれども、書き手のなかに本人も扱いきれないような激情を感じるようでもあり、暑いのか寒いのか分からない不思議な読書体験だった。藤野可織また読みたい。